PBRとPERー小林製薬の不祥事から株価を評価する

市況情報

企業の株価は毎日上がり下がりしますが、株価が割安なのか割高なのか、株価の見方を小林製薬の不祥事による株価の推移から見てみましょう。

小林製薬の不祥事

最近小林製薬の株価が不祥事により暴落し、株価の割安感から底値になったタイミングで株を購入されたという方から底値になっている会社情報を入手する良い手段はないだろうかとご相談がありました。

コレステロールを下げる効果があると小林製薬の健康サプリを飲んでいた人の5人が死亡し、200人以上が入院するという事件が起こりました、その不祥事により小林製薬の株価が連日「ストップ安」と大暴落しました。

企業の株価は毎日変化します。変化する株価が安いのか、高いのか、判断の仕方にどのような指標がありのでしょうか?

小林製薬の株価が暴落して、それが割安になったのかどうか、どのように見れるのでしょうか?まず企業によって異なる株価が安いのか高いのかを判断する基準について考えてみましょう。

PBRとPER

株価の割安感を評価する指標としてPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)があります。

PER(Price Earnings Ratio)は企業の株価が何年で元が取れるのかを示すものです。1倍なら1年で元が取れ、10倍なら10年で元が取れる指標です。

PBR(Price Book-value Ratio)は企業が今廃業したとしたら1株あたりいくら戻ってくるのかの倍率を示すもので、1倍ならば株価相当分が戻ってきます。倍率が低いほど戻りが多くなります。

因みにPERでは15倍が標準的な値と言われています。日経株価平均の基準225社の平均は14倍ですが、ただ低ければ良いというわけではないです。

同じようにPBRの標準は1倍ですが、こちらも低ければ良いというわけではありません。
どちらかといえば、上がり下りがあった時に、その要因を知ることが大切です。

小林製薬の株価の推移で評価してみよう

小林製薬の不祥事の前の株価は6,650円でした。PERは16.3倍、PBRは1.6倍です。

不祥事により連日ストップ安で株価は底辺で4,857円まで暴落しました。PERは22.3倍、PBRは2.27倍です。

現在はだいぶ株価も戻りつつあり5,420円でのPERは20倍、PBRは2.05倍です。

株価だけをおっかければ大暴落により割安感があるように思うのですが、PBRやPERで評価する投資家目線では逆に不祥事によりPBRやPERの基準が割高感のある値に高くなっていることが伺えます。