用語解説「シャープレシオ」

投資信託ファンド

投資するうえで色々な数値が登場します。どれも大切な数値なのですが、何を知りたい時にどんな指標を見るべきか、それを知って運用するのと知らないで運用するのでは結果が大きく変わってきます。今回はその中でも重要な「シャープレシオ」について解説します。

なぜ数値は大切なのか?

そもそも投資の中で数値が意味するものはなんでしょうか?それは「比較」です。投資には必ず「Aが良いのか、Bが良いのか」という選択が生じます。そのため「数値」が必要になるわけです。

その中でシャープレシオの数値が何を比較するために使われるのでしょうか?

シャープレシオとは?

シャープレシオを説明する時によく「アイスクリーム屋とおでん屋」のたとえが使われます。

アイスクリームは夏に売れますが冬にはあまり売れません。
逆におでん屋は冬に売れますが夏には売れません。


アイスクリームやおでんだけを売っていると期間ごとに売上曲線がジェットコースターのように変化します。夏はアイスクリーム、冬はおでんを売ると売上曲線はよりなだらかな曲線を描くことになります。

投資する企業にも同じことが言えます。輸出が中心の会社は円安の時の方が売上が期待できます。
輸入が中心の会社は円安の時には売上が期待できません。円高になった方が売上が期待できるのです。輸出だけ、輸入だけに頼る会社よりも輸入と輸出をバランスよく行っている会社の方が安定した経営ができます。

シャープレシオとは、期間と株価の曲線から、その会社の経営が安定しているかどうかを判断するために使われます。

シャープレシオで比較してみよう!

シャープレシオの計算式は以下の通りです。

(平均利回りー借入金利)÷標準偏差

標準偏差とは曲線のなだらかさを示すもので数値が低いほどなだらかです。

計算例をあげて比較してみましょう。

A社は3年間での平均利回りが7%で、標準偏差が18%です。
B社は3年間での平均利回りが5%で、標準偏差が10%です。

A社とB社、どちらの会社の方が安定しているでしょうか? シャープレシオで計算してみます。
借入金利は、現状ほぼゼロ金利なので0とします。

A社 (7%-0%)÷18%  = 0.38
B社 (5%-0%)÷10%  = 0.50

数値が高いほど安定している会社になりますので、B社を選んだ方が良いことになります。

シャープレシオの基準

一般的に1年で数値2以上、
3年で数値1以上

ある企業は優良な企業と言われています。

ファンド選びや投資先を選ぶ上で必ずシャープレシオは確認して欲しい数値です。